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階段を上に上がると、そ
こは遊園地の中心部だっ
た。
周りにはいろいろな乗り
物があった。近くに乗り
物を乗る券売機がある。
カオルとトシキはゆっく
りと歩きながら券売機の
ところまで行く。
トシキはサイフから1万
円取り出すと、1万円分
券を買った。
トシキ
(これだけあれば今日一日
十分遊べるかな)
カオルは笑顔で言う。
(うん、大丈夫だよ、トシ
キ、でもトシキってお金
もちかんだね)
トシキは券を半分カオル
に渡しがら言う。
その顔は少し寂しそうだ
った。
(ああ、俺さ、働いている
からな)
カオルは(えっ)といって
驚いた)
普通この年頃なら、高校
生活を楽しんでいる頃
だ。カオルはいま、思っ
た。
(そうだ、私、よく考えた
らトシキのこと何も知ら
ない)
カオルが不安そうな顔を
していると、それを見た
トシキは笑いながら言
う。
(俺さ、高校には通ってな
いんだ、中学で終わり、
中学卒業してからいろい
ろなバイトしてた)
それを聞いたカオルは顔
を下に向けながらトシキ
に言う。
(トシキ、ごめんね、私、
なにも知らなかったから)
カオルからしてみれば、
自分と同じくトシキも高
校生活をしていて、さぞ
や女の子たちからちやほ
やされてるんだろうなと
思っていた。
(私さ、よく考えたらトシ
キのことなにも知らなか
った、一人ではしやいじ
ゃたよ)
トシキは優しい笑顔にな
りながら、優しい口調で
答えた。
(いゃ、いいんだよ、カオ
ル、それよりごめんな、
心配かけちまって、ちょ
っとそこのベンチに座っ
てって話そうか)といって
カオルとトシキはベンチに座った。