世界の終わりも君と二人で (外部サイトで読む)
おれは可美奈偉斗、高校二年生。何もかもどうでもよかった。毎日狂ったようにケンカに明け暮れて悪魔と呼ばれたりしているが、実際狂っていたのかもしれない。今日も十人の不良たちに囲まれていた。そんな場面を見ていじめだと勘違いして飛び込んできた女。そいつは神を自称するイタいやつだった。そいつはおれたちのケンカを止めようとして結局何の力にもならなかったが、神としてあなた(おれのことらしい)を救うと宣言する。そいつの名前は阿熊梓。うちの学校の一年生で生徒会長だという。梓は調子に乗って空席の生徒会役員におれを据えようとする。あきれて、もうおれにかかわるなと梓に宣告したが、生徒会書記で自分が妖精だと思い込んでいる島彩夏が、梓と出会った以上、おれの世界はもう変わってしまったと妙なことを言い出した。二人と別れての帰り道、妹の真昼と出くわして怖いものなしだったはずのおれも思わず絶句した。真昼は五年前、小学五年生のとき事故で死んでいたからだ――
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