番外編 ある日のお正月日記
『ふふん♪どうだい?かわいいだろ?』
「えへへ~♪」
『うんうん。さすが私の娘だね』
『あら、私の娘だからよ』
〖僕たちの娘なんだから当然でしょ♪〗
みんなが自分の娘アピールをぱぁぱが治めた!
『神様、こんなしょっちゅう来ていいのかい?』
〖本当はダメだけど、ここは僕の別荘ってことで天界で登録したから大丈夫♪〗
「ふお?」
別荘?
『『『いやいやいや』』』
『いつの間に?』
『家主の許可も得ず?』
『ダメじゃないかい⋯』
だよね?
〖後で日本の神も来てくれるよ。お土産も持ってきてくれるんだって〗
「ふお~」
おみやげ♪
『まさか日本の神の別荘にも登録されてないでしょうね?』
〖さあ?わかんないな~〗
『もういいです⋯。とにかく、のんちゃん、着物かわいいね~』
パパは何かを諦め、ようやく本題に戻った
「えへへ~?かあい?」くるん
『うんうん。似合うね。さすが私の見立てだね。赤い花柄の鮮やかな着物もいいけど、正月だからね控え目に赤に橙と黄の絣にしたよ。うん、羽織りもばっちりだねぇ』
「えへへ~♪」
『花うさぎたちがプレゼントしてくれた髪飾りが今回も活躍ね』
『『『大活躍ぴょん♪』』』ぴょん♪
「あい!ありがちょ♪」
かわいいからお気に入りだよ!
『さあ、日本の神様もいらっしゃるようだし、支度急ごうか』
「あ~い♪」
お手伝いするよ~
『のんは、着物着たから大人しくしてるんだよ』
「ええ~」
お手伝いできるよ?
『まあ確かに、着慣れない内は大人しくしてた方がいいかもしれないね』
「あい~」
仕方ないね。いつもお着物のママとパパが言うんだからきっと言う通りだもんね。
〖じゃあ、のんちゃんはグランパが来るまで、ぱぁぱと縁側でひなたぼっこしながら魔法の練習でもしてようか~〗
「あい!まほーしゅる!」
〖じゃあ行こう~〗
「いこ~♪」
縁側に行くと
『あら、のんちゃん、お着物かわいい♪』
『ほんとだ』
『よく似合ってますよ』
『うん!かわいいね~』
『きゃんっ』
『こんっ』
『きゅんっ』
「えへへ~♪」
〖当然だよね~〗にこにこ
ねぇねたちにも褒められちゃった♪
〖それじゃあ、のんちゃん、お着物が汚れない魔法の練習をしようか〗
「あい!」
〖じゃあ、ライトの魔法だよ。暗いところでも明るくできて便利だよ〗
「あい!」
〖じゃあ~指先に光を灯してみようか。ライト〗ぽっ
『のんちゃん、がんばって』
『魔法はイメージだよ』
「うみゅみゅ~」
ねぇねとにぃにがアドバイスしてくれます。
ライト~懐中電灯というよりロウソク?ロウソクは熱いから、LEDのキャンドル?なら~
「しゅいっち、おん!」ぱちんっ ぼっ
「ふおお?ふぁいやー」ぼぼぼー
どちて?
〖わあっ!なんで火?のんちゃん消して消してっ〗
「あ、あい」ぱちん
「ふお~きえちゃ」
良かった~
〖あ~びっくりした~。のんちゃん、魔力込めすぎたね~〗
「ふぎゅ」
そ、そう?
〖ちょびっとでいいよ、ちょびっとで〗
「あい」
反省~
〖ほっほ。ロウソクでも想像したかの?のんちゃん〗
ぴか~
「あ~ぐりゃんぱ~♪おかいり~♪」
〖ただいまじゃ。のんちゃん〗
〖お帰りなさい。日本の神〗
〖おお、ただいま。魔法の練習かの?火の練習かい?〗
〖あはは。これです〗ぽっ
〖ライトかの?それは豪儀じゃの?松明のようじゃったの〗
「みゅ~。えりゅいーでぃーきゃんどりゅ。だみょん」
火のロウソクは危ないと思ったから、LEDにしたんだけどな~
〖そうかそうか。のんちゃんは魔力が多いからの、火を連想する物から離れた方が良いかもの〗
「みゅみゅ~」
例えば~?
〖ふふ。のんちゃん、お口がとんがってるよ〗ぴよんぴよん
「うみゅ~」
『ぴよ~(ぼくのまね~?)』
「みゅう~」
ちがうよ~
〖そうじゃの、昔の豆電球の懐中電灯とか〗
「みゃめでん⋯かちっ」
親指でスイッチずらして
ぽっ
「ふお~できちゃ」
人差し指の先っちょについた~
〖おお~すごいね、のんちゃん〗
〖ほっほ。成功じゃの。あとは、蛍とかどうじゃ?〗
「ほちゃる」
〖そうじゃよ。蛍は飛ぶじゃろ?〗
「ふあっ」
自由に飛んでくれたら、おてて使えるね!じゃあ~
「ほちゃる~ふよふよ~」
夜の小さい川の上とか葉っぱのとことか~
ぽわぽわぽわ~
『『『『うわ~ぁ』』』』
『『『きゃんっ』』』
『『『『なになにぴょん?』』』』ぴょこぴょこ
『『『『木が光ってるよ~?』』』』ぱたぱた
「ふお~?」
あ、あれ~?なんかいっぱい?
〖あはは。のんちゃん、すごいね~びっくりして花うさぎ達と妖精たちが飛び出てきちゃったよ~〗
〖神獣達は追いかけだしたの~〗
『『『『待て待て~♪』』』』
たたたたっ
『きゃんっ♪』
『こんっ♪』
『きゅんっ♪』
ぴょんぴょんっ
「あ、ありぇ~?」
光が逃げてる~?
〖綺麗だね~光が舞ってるね~〗
〖そうじゃ。ちょうどお土産でこれを持って来たんじゃよ〗すっ
それは⋯
「はごいちゃ?」
羽子板でなんでちょうど?
〖これをの?羽子のムクロジにちょいっと⋯〗
「ふお~?」
羽根の先っちょの黒いとこ光った~
〖ほれ。これで光る羽子の出来上がりじゃ〗コンコン
「ふお~ぉ」キラキラ
面白~い!羽根が通ったところ光の筋ができた~
『おやまぁ、面白いこと始めたねぇ』
『ほんとだね。日本の神、お帰りなさいませ。そのままのんちゃんとひと勝負なさいますか?』
ママとパパたちもやって来ました。
〖ほっほ。いいのぉ。ほれ、羽子板と言えば、コレじゃろ?〗
「ふおっ!?しょ、しょれは」
負けたら恥ずかしいことになるやつっ
〖そうじゃよ。墨と筆じゃ♪安心しとくれ。着物は汚れんし、肌荒れもせんよ。儂が作った特製品じゃからの。時間が来たら勝手に消えるようにしてあるのじゃ♪〗
「ふお?」
それならいいかな?
『肌荒れ?なんで?』
〖そうか、ローズは知らんかったか?羽根つきはの、負けた方は墨で顔に色々書かれるんじゃよ〗
『へぇ~おもしろいことするのね』
〖じゃろ?〗
「ぐりゃんぱっ」ぴょんぴょんっ
お話してないで早くやろ!
〖ほっほ。じゃあやろうかの〗
「あい!」
『のん、ちょっとお待ち』しゅしゅしゅっ
「ふおお~」
はやわざ!
『はいよ。これで良し!頑張っといで』ぽんっ
「あい!」にぱっ
あっという間にママがたすき掛けしてくれたよ!
〖のんちゃん、行くぞい。ほれ〗こんっ
びゅるひゅる~って光りながら飛んできたよ
「あいっよいちょっ」こんっ
やったぁ当たった!
〖ほいっ〗こんっ
「うんとこちょっ」すこんっ
〖ふふっおっと〗こんっ
「どっこいちょっ」すかっぽて
「あ~おちちゃ~⋯んみゅ?」
〖『『『⋯⋯っ』』』〗ぷるぷる
「みゅ?」
みんな、なんで変なほう向いてぷるぷる?
『のんちゃん、なんでその掛け声です?』
『うんとこしょ、です?』
『どっこいしょ、です?』
「うみゅ?のんちゃん、ゆっちゃ?」
おぼえてないよ?
『『『無意識だったです?』』』びっくり
〖『『『あははははっ』』』〗
「うみゅ~」
なんで笑うの~?
〖ほっほ。随分と古風な掛け声じゃのう。ほれ、のんちゃん、こっちも忘れちゃだめじゃよ。ほい、ばってん〗ささっ
「ふおお?やりゃりぇちゃ⋯」
ほっぺに、ばってん✕
〖『『『あっはははは』』』〗
「うぶー」ぷくぅ
笑ったな~
『か、かわいいよ、のんちゃん』ぷふ
『うんうん。どんな顔でもかわいいわよ』ひい~
『のん、終わったらお節やお雑煮が待ってるから頑張んな』くっ
「んみゅ~」
頑張るけど~そんな笑わなくても~
『ぴよ~(のんちゃん、次はぼくね~)』
「ふお?」
羽子板どうやって持ってるの?
〖魔法で羽の先にくっつけたんじゃ〗
「ふお~まほーべんり」
すごいね~
『ぴよ~(いくよ~)』かこんっ
「んちょっ」こんっ
こんな感じでみんなと対戦したのんちゃんのお顔は
『『『〇✕いっぱい』』』ぴょん
「んみゅ~」
みんな手加減してくれない~
のんちゃんのお顔は〇✕だらけ
〖ほっほ。もうそろそろ消えるじゃろ〗
『じゃあ、手を洗って、宴会だよ。グランパの土産、もちろん』
〖あるぞい。とっておきの日本酒じゃ。それに、カニとエビに、マグロに、他にも、ほれ〗にやり
『流石だねぇ』ニヤ~
光る羽子板のあとは、ママとグランパの悪い笑顔で宴会が始まりましたとさ
「おいち♪」
『ぴよ~(おいしいね~)』
もちろん、お料理みんな美味しかったよ!
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あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。