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第38話 邪魔者排除

神様の優しい光に包まれて、気持ちよさそうな眠る女の子。
『やさしくですー』
『そぉっとですー』
『分かってるよ』
セイジュウロウ様がそぉっとお布団に寝かせます。
布団をかけて、お腹の当たりをやさしくぽんぽん。
無事に寝かせられたようです。
途端に花うさぎさんや妖精さんたちが女の子に群がります。

〖ふふ。可愛いね~〗
『そうだな』
『安心しきった顔だねぇ』
『ええ。それじゃあ、この安心した顔を守るため、邪魔者を排除しに行きましょうか⋯ふふふふふ』
〖わ~笑顔が黒いね~〗ぱちぱち
何やら不穏なオーラを放つ神樹の精様
神様、楽しそうに煽ってます

『あら、神様も一緒に行くでしょ?』
〖そうだね~いつの間にか傲慢になりすぎて、感謝の心も信仰心も無くした愚か者には天罰があって然るべきだよね~うふふ〗
『何にしても、この子にセイシロウちゃん達のような悲しい思いをさせない為に、邪魔者⋯憂いはとっぱらわないとね。うふふ』
〖そうだね~〗
〖『うふふふふふ』〗

『黒いな』
『黒いねぇ』
『『『神様なのにですー』』』
『『『神樹の精様なのにですー』』』
『『『⋯でも仕方ない』』』
『『『⋯』』』こくこく
黒い笑顔を振りまく神様と神樹の精様。でも仕方ない。これから二人は敵陣に乗り込み、女の子のこれからに邪魔になるであろう老害を排除しに行くのだ。

『本当に俺も行かなくていいのか?』
セイジュウロウ様が不満げに言う。自分だって散々煮え湯を飲まされてきたのだから、一緒に行って今までの鬱憤を晴らしたいのだ。でも

『この子がいるのよ。何かあった時、この家から離れられないママたちだけじゃ、大変でしょ』
〖そうだね。もしもの時のために君がここにいてくれた方が安心だよ。大丈夫。しっかり仕事はしてくるよ〗

『⋯わかった』ぶすっ
『悪いねぇ。私らの分もよろしく頼むよ』
『『『おねがいするですーっ』』』
『『『ですです!』』』
『『『⋯頑張って』』』
『『『⋯』』』フレーフレーっ
『よろしく頼みます』すっ
最初はぶすくれていたセイジュウロウ様もママたちを見て最後は神様たちに託して、頭を下げた。

『まっかせて!まずは加護を引っぺがしてやるわ!ふん!』
〖ふふ。ぼくはどうしようかな~そもそも加護与えてないしな~。まあ、行きながら考えようかな〗

『とにかく!この子に可愛い名前を付けるため!そして、この子を利用させないため!この子が目覚めるまでに全て終わらす!!』ドーンっ
〖タイムリミットは明日の朝だね〗
『分かったわ。じゃあ、行ってくるわ』しゅんっ
〖行ってきます〗しゅんっ

『『『『『いってらっしゃい』』』』』

『いってしまったな』
『まあ、大丈夫だろ?あの二人なら』
『そうだな』
よろしく頼むぞ。この子の明るい未来のために。

いざ出陣!

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