第20話 神様の説明
〖う~ん、落ち着くな~。君はぷにぷにって柔らかくて、ぽかぽかって温かいね~〗ぐりぐりすりすり
「あ、ありがちょ」
もう暫く会えないと思っていた神様に、再び膝抱っこされて、またもや髪の中を顎でぐりぐりすりすりされて、今、目の前では⋯
『うう、うううぅ』
『ああ、あああぁ』
ああ、ハイエルフさんも、神樹の精様も、そんな突っ伏して泣かなくてもぉ~畳に湖がぁ~
『な、なんて不憫なんだい』くぅっ
わあっママまで?そんな横座りで、お着物の袖をそんな噛んでっ⋯涙まで色っぽい
『『『うわ~んですぅ』』』
『『『ひどいですぅ』』』
『『『悲しいですぅ』』』
『『『許せないですぅ』』』
部屋中に溢れるほど集まった家妖精さんたちも、思い思いの場所でバタバタしながら泣いてます。
『『『⋯⋯辛かったね』』』
『『『⋯⋯もう大丈夫』』』
『『『⋯⋯僕たちいる』』』
花うさぎさんたちは、私の膝の上でお団子になって泣いていて
『『『⋯』』』すりすり
『『『⋯』』』なでなで
『『『⋯』』』すりすり
妖精さんたちは、頭や肩に乗って、泣きながら慰めてくれてます。
「あううぅ」
みんな、そんな泣かなくても~。いたたまれないよ~。
〖あはは。無理ないよ~。涙無しでは語れないし、聞けないよね~。僕だって説明しながら涙こらえるの大変だったんだから~〗
そう。神様が私の代わりに、前の世界で私がどんな目にあっていたのかとか、どんな経緯で今ここにいるのかとか、前は十六歳だったけど、寿命が二年しか残ってなかったから二歳になっちゃったとか、色々色々、説明してくれたのです。
あっ!それから、やっぱり神様の話し方は〖僕〗が地なんだって。一応、神様らしく威厳を保つために、あの白い世界⋯天界と言うらしいんだけど、天界では、かな~り頑張って〖私〗と言っていたらしい。私相手にそんな気を使わないでいいのにね
それは置いといて、なんとあの後⋯
〖君の話を聞いてね、あの後、日本の神様の元にもう一度伺ったんだよ〗
「ふお?」
日本の神様の元に?
〖うん、そう。無事に何事もなく⋯とは、いかなかったけれど、何とか君を保護してくれる者の所にたどり着いたというご報告をしにね。あちらも責任を感じて心配してらしたから〗
「あ、しょっか~」
そりゃそうだよね。
〖それから、前の世界での君の名前に対する気持ちを聞いたでしょ?〗
「あい」
そういえば言ったね
〖可愛いお名前だったけど、君はあのお名前、好きじゃないよね?〗
「あい⋯」
いつもいつも、自分はダメな子なんだって、どうしても姉と比べてしまっていた。
〖だからね、その名前を捨てる許可を頂いてきたよ〗にこっ
「え?」
名前を捨てる許可?
〖そう。言ったでしょ?嫌な記憶も、嫌な名前も、みんな捨てて、今度こそ幸せになってって〗にこにこ
「あい」
言われた。たしかに言われたね。
〖だからね?君が望むなら、君の魂の中から、君の記憶と名前を消してあげる〗にこにこ
「え、ええ?」
記憶と名前を消す?
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